司法書士の選び方

 

司法書士事務所はたくさんあります。
その中で、どんな司法書士に頼めばいいのでしょうか?

 

 

もし、逆の立場で司法書士に依頼する場合、以下の点を注意すると思います。

 

  1. 話をしっかり聞く
  2. 丁寧に理解できるまで説明する
  3. できないことはできないと答える
  4. 案件を多く処理している(専門知識が豊富)
  5. 場所が行きやすい
  6. 費用が明確
  7. アフターケアが丁寧
  8. 提案をしてもらえる

これは、私の理想の司法書士像でもあります。

 

 

電話でも、ある程度分かることもあると思います。

また、相談をしたからといって必ず依頼をする必要はありません。
相談して、司法書士と合わなければ、お断りされても問題ないです。

逆に断れないような相談をする司法書士は、あまり良くないかもしれませんね。

以下、1から7までについて、詳しく説明していきます。
興味のある方は、ぜひご覧ください。

 

1 話をしっかり聞く

司法書士に相談にしようというのは、どんなときでしょうか?
やはり困ったときが多いと思います。

 

 

相続がうまくいかない・・
住宅ローンを完済したけど、担保権の抹消をする時間がない・・
来月の支払いができない・・
残業代の支払いをしてくれない・・
請負代金(売掛金)の回収ができない・・
家賃滞納で困っている・・
友人にお金を貸したのに戻ってこない・・   などなど。

 

 

いろいろな「困ったこと」があります。
実際、悩んでご相談にいらっしゃる方も多いです。

そのため、話を聞くことは基本的な業務になります。

 

たとえ、直接今後の手続きに影響がなくても、お話をお伺いすることが大切です。
それは、話すことでお客様が安心されることが一番必要なことだからです。

今後、手続きの中で、難しい判断をしていただくこともあります。

 

それは、感情的に判断すべきでないことも多いです。
冷静に判断をしていただく。

そのために、司法書士はしっかり話を聞き、依頼者の方に冷静になっていただかなければなりません。

 

 

それが、司法書士の最初の仕事だと考えています。

そんな理由から、一番目の目安として「話をしっかり聞く」をあげました。

2 丁寧に理解できるまで説明する

二つ目は「説明」についてです。

 

司法書士は、多くの類似する業務を行います。
登記であれ、クレサラであれ。
やはり同じような案件はあります。

 

そのため、毎日同じ業務をしていると、司法書士の中に「当たり前」といった考えが無意識にできてくるのかもしれません。
少しずつ、依頼者の方への説明が雑になることがあります。

 

最後には、ほとんど説明をしない。
そんな司法書士もいます。

 

司法書士にとっては何度も受けている案件でも、依頼者の方は初めてです。
依頼者への説明はしっかりとしなければなりません。
それは当然です。

 

 

しかし、そのことは意識しなければ、忘れてしまうことだと思います。

十分な説明がなければ、依頼者の方は不安ではないでしょうか。
もちろん説明が難しい部分もあります。

 

 

しかし、司法書士は、それでも分かりやすく説明する努力をしなければなりません。

 

司法書士の話が丁寧か。

理解できるのか。

質問をさせてくれるのか。

 

それらは司法書士を選ぶにあたり、重要な基準になると思います。

3 できないことはできないと答える

司法書士の仕事は難しいものです。

 

法律や社会の要請による倫理的な規制に則って業務をしなければなりません。
できるけど、してはいけないことが多くあります。

例えば、意思表示ができない方の名義変更などがあります。
名義変更できなくはない・・

 

 

しかし、それは国民の財産を守るという要請から絶対にしてはいけないことです。
(参考 http://kumamotoshoshi.blog.so-net.ne.jp/2012-02-14 )
それは、誰も損をしなくても同じです。

司法書士は、いろいろな制度の不備を知る立場にあります。
しかし、それを悪用するかどうかは司法書士次第です。

 

 

では、悪用した場合、誰が損をするのでしょうか?

実は、依頼者の方が一番損をします。

 

相手方からは裁判等をされたり、多額の損害賠償を支払う可能性もあります。

また、そんな司法書士ばかりが出てきたら、将来誰を信頼して財産を守ってもらえばいいのか分からなくなります。
知らない間に、不動産が売却されていた・・
笑えませんね。。。。

 

 

長期的な視点に立てば、国民全員が損をすることが明らかです。

つまり、制度の不備などを悪用し、社会の要請と異なることをすれば、依頼者に迷惑をかけ、社会全体に損をさせてしまいます。

だからこそ、司法書士はできないことはできないと答えなければなりません。

 

 

それは、司法書士として大切な仕事の一つだと考えています。
そして、司法書士を選択する一つの基準になると思います。

4 案件を多く処理している

これは私にとって少し辛い判断基準です。。。
それは、私自身が司法書士になって10年未満の比較的若手だからです。

 

司法書士の仕事は、どうしても経験が大きく影響する部分もあります。
いろいろな状況を知ることで、正しい判断ができる。
そんなことも多くあります。

 

 

だから、ベテランの先生が有利である。

 

 

そういう考え方も一つの考え方です。

 

若手司法書士の中にも多くの経験を積んでいる者もいます。

また、先輩の司法書士に聞くことや本を読んで、経験不足を補うこともできます。

一概に若いからダメということはありません。

 

ただ、参考にしても良い部分でもあります。

最初に司法書士に尋ねてみるといいかもしれませんね。

 

5 場所が行きやすい

 

地域には多くの司法書士がいます。
おそらく、皆さんのお住まいの地域にも司法書士はいるのではないでしょうか。

 

司法書士は、依頼の内容によって、何度も依頼者の方とお会いすることも多いです。

 

もちろん状況が変われば、再度説明をすることも必要です。
説明をしなければ、次に進められない場合もあります。

 

 

そのため、依頼者したい方は、

やはり「行きやすい」司法書士

にお願いするべきだと思います。

 

 

特に債務整理などの相談は、生活の状況による選択が必要になりますので、近くの司法書士がいいのではないでしょうか。

もちろん「場所が行きやすい」といっても、個人の感覚で様々です。

 

 

仕事場の近くがいいという方もいらっしゃいます。
少し遠くても頼みたいという方もいらっしゃいます。
また、司法書士の方で遠方でもお伺いすることができる場合もあります。

 

どちらにしても、行こうと思えば行ける場所の司法書士がお勧めです。

 

事務所に行ったこともない、司法書士に会ったこともない。
そんなところを信用して、依頼をするのは少し難しいのではないでしょうか。

 

 

いつでも行ける。
そんな安心感を大切にした方がいいと思います。

6 費用が明確

 

司法書士に頼んだときの費用は

 

「印紙代などの実費」と

 

「司法書士の報酬」

 

の2つでできています。

 

そのため、司法書士は「実費」と「報酬」を計算し、費用を説明しなければなりません。

 

 

通常、依頼者の方には費用が分かりません。
たとえ「実費」が分かっても、「報酬」部分は基本的に各司法書士の自由ということになっています。

 

そのため、説明を受けないと費用は分からないということになります。
だからこそ、司法書士は費用をしっかり説明する必要があります。

また、業務の中には、はっきり額を申し上げられないものもあります。
(相手の対応で裁判かを決める場合等)

 

そういう場合は最初に言った費用と異なることもあります。
そのときは、早めに連絡しなければなりません。
(もちろん費用が異なる可能性があることは最初に伝えるべきです)

 

費用というのは一般に全く分からない部分です。

 

 

だからこそ、慎重に説明をする。
その姿勢があるのか。

 

それは司法書士を選ぶ一つの判断基準になると思います (^_^)

7 アフターケア

司法書士の関わる業務は分かりにくいものが多いです。
依頼者の方が、完全に分かるということは難しい。

 

そのため、依頼者の方は後から考えて、疑問に思うこともあるはずです。

 

一度説明を聞いたけど、やっぱり分からない。
もう一度、質問したい。

 

「登記識別情報って何だったっけ?」
「過払金はいつ返ってくるんだろう?」
「今裁判はどこまで進んでいるんだろう?」

 

 

いろいろな疑問が浮かぶはずです。
それは依頼内容が終了してからも同じです。

 

そのため、司法書士は案件が終わったから、説明しなくてもよいわけではありません。
やはり、きちんと説明をしなければいけない。

 

 

何度も説明をすることは、基本的な業務の一つです。
案件終了後、依頼者の方が誰にも聞けずに不安にならないようにしなければいけません。

 

だからこそ、アフターケアをしっかりすることが必要になります。
どんなアフターケアをしてもらえるのか、依頼が終わった後も質問できるのか。

 

依頼する時に、そんなことを確認してみてもいいかもしれません。

8 提案をしてくれるか

司法書士は多岐に渡る仕事をします。

 

不動産登記
商業登記
債務整理
売掛金の回収
建物明渡し
労働問題  などなど。

 

しかし、通常、その一つの件で依頼者の方とお会いします。

 

 

ただ、司法書士として、依頼以外のことが分かる場合も多いです。

 

不動産登記でお邪魔していても、話の流れで会社の登記のアドバイスをする。

または、たまたま見せてもらった会社謄本から別の登記をお勧めする。

 

 

依頼者の方が、気づいていないことを指摘し、提案・お勧めする。
そんなことが多くあります。

そして、最近私は、この提案力というのが司法書士の本来の仕事なのではないかと思っています。

 

 

役員の変更、相続登記などは一般の方でも書籍やネット等を見ればできてしまいます。
そんな中、司法書士ができることはなんなのでしょうか?

 

それは提案なのかなと。

 

依頼者の問題と思っていないことを指摘する。
問題になる前に、先回りして助言する。
それが司法書士の価値ではないでしょうか。

 

それこそ、司法書士が書籍やネットなどに唯一勝てるところなんだと思います。
書籍やネットは問題を教えてくれることはないですから。

 

そして、依頼した司法書士がいろいろなことを提案する印象であれば、その方は頼りになる司法書士だと思います。

 

 

 

以上が、私の考える司法書士の選び方です。

ぜひ参考にされてください。