相続登記をしないことで、将来起こり得る問題をまとめました。
実際、相続登記には期限はありません。
しかし、下記のような問題が生じる可能性を確認いただき、相続登記をするかどうかの判断材料にしていただければと思います。
相続人の増加
相続には原則相続人全員の印鑑(実印)が必要になります。
一般的に、不動産の名義人が亡くなってからも、相続人が増えていくことが多いです。
そのため、時間が経つにつれ、話し合いが困難になります。
10年以上経つと、相続人が10人以上になったということも少なくありません。
また、一度も会ったことがない人と相続の話し合いをしなければならないこともあります。
結果、時間や費用が多くかかることが多いです。
また、将来名義変更をしようとしたお子さんやお孫さんが、苦労されることになることもあります。
売却ができない
亡くなった方の名義のまま不動産を売却することができません。
いったん相続登記をした上で、売買をすることになります。
そのため、相続登記ができないと、売却できず、空き家になってしまうこともあります。
リフォーム・建て替えが困難
相続登記をしないと、金融機関から土地や建物を担保にして借り入れをすることができません。
そのため、”高い利息での借り入れ”や”現金”で建て替えをすることとなり、建て替えが難しくなる場合があります。
リフォームや改修などでも同様です。
結果、誰も家に住むことができなくなり、空き家になることも多いです。
固定資産税の支払い
不動産を相続する人が決まるまで、継続的に相続人全員に固定資産税の支払いの義務が発生します。
相続人のうち誰が固定資産税を支払うのか。
それとも、全員で相続分に応じて支払うようにするのかなど、話し合いが必要になる場合もあります。
近隣関係
空き家になったなどの場合、近隣にお住いの方からの苦情などが出ることがあります。
火事や防犯、家や庭の木などの管理の問題で苦情がくることがあるようです。
土地の固定資産税の上昇
空き家の状態が長くなり管理が不十分な場合、土地の固定資産税が上昇することがあります。
逆に、固定資産税の上昇を防ぐために改修などをしなければならない状況になる場合もあります。
火災や台風など
火災などについて、相続人に責任が生じる可能性があります。
また、火災保険の負担を誰が負担するかという問題が生じます。
意思表示ができない相続人
相続人が意思表示できない場合、遺産分割協議(相続財産の分け方を決める話し合い)に参加できません。
そのような場合は、後見人などの選任をしなければ、相続登記をすることできません。
また、仮に後見人を選任することにした場合でも、時間がかかり、費用もその分多くかかることになります。